地域社会学習Vol.15「大津絵“達磨大使”」 |
更新日:
2017年5月23日
|
|
本日は毎年恒例の高橋松山先生による大津絵体験でした。昨年はお色気の「藤娘」でしたが、今回はゴツゴツと厳つい顔の「達磨大師」です。大津絵では稀な墨一色で描かれた図で中国の禅僧です。禅宗で「祖師」と言えば、この達磨大師を指し、江戸時代に赤く丸いダルマ人形が日本に伝わり縁起物として人気を博しました。ダルマ人形に手足が無いのは、達磨大師が壁に向かって9年座禅を続けたため両手足が腐って落ちたという伝説に由来しているそうです。
さて、濃い黒墨と薄い黒墨、太い筆と細い筆を使って色紙に描きます。要領はいつもの通り先生が解説しながら大きな模造紙に手本を描いてくれます。それを我々が真似て描いていくのですが、どれもこれも・・・先生から「他人の絵を見て笑う、それもまた良し」と慰めのお言葉に励まされながら最後まで描き切りました。出来上がりはご想像にお任せします・・・
添えは禅語の「八風吹不動」(はっぷうふけどもどうぜず) 八風とは、 ・利い(うるおい)目先の利益 ・誉れ(ほまれ)名誉をうける ・称え(たたえ)称賛される ・楽しみ(たのしみ)様々な楽しみ ・衰え(おとろえ)肉体的な衰え、金銭・物の損失 ・毀れ(やぶれ)不名誉をうける ・譏り(そしり)中傷される ・苦しみ(くるしみ)様々な苦しみ であり、禅宗では「人の心の中には常に心を惑わす風が吹いている。だが、どんな風が吹こうとも惑わされることなく努力し耐え忍ぶことが大事」との教えです。
前回の坐禅といい、今日の大津絵体験といい、煩悩とは何か?無とは何か?答えは見つからず・・・ただ分かったことは、坐禅を組んで無になろうと頑張ってみるものの、すぐに要らんことが頭を過る。画いた大津絵は歪んだり線が震えたりと、自分を映し出しているかのよう・・・という訳で煩悩だらけの凡人であることを自覚したのです(涙)
場所:琵琶湖ホテル「萩」 食事:初鱧落とし、稚鮎の天ぷら、うすい豆ごはん他 |
|