環境学習Vol.15「琵琶湖の生物多様性保全活動」A
更新日: 2017年4月25日
では実際にFFU端材を活用したのは「魚道」でした。滋賀県から各自治体に提案してもらい、高島、東近江、甲賀の3地区と活用方法を協議して決めたそうです。2015年2月、高島地区にてFFU部材を提供。水田に魚をよびこむ「一筆魚道」を地域農家と協働して製作・設置を行いました。同様に3月には東近江地区にて「堰板」および「一筆魚道」を設置しました。今までの木材と違ってFFU素材は経年劣化の心配がありません。農家にとって嬉しいことですね。

同年6月3日に撮影された「一筆魚道」の映像を見せてもらいました。ピョンピョン跳ねる物体が映っています。よく見ると魚が飛び跳ねて遡上しているところでした。琵琶湖固有種の習性・・・そのまま田んぼまで遡上して産卵します。外来種には真似できない技なんですね。孵化した稚魚は温かい田んぼの中で豊富なプランクトンなどのエサを摂り成長します。まさに稚魚にとって田んぼは、プロジェクト名にあるとおり「ゆりかご」なのです。

6月下旬、中干し(なかぼし)と言って10日から2週間ほど水を抜いて田んぼを乾かす作業があります。稚魚は抜かれた水と一緒に一気に琵琶湖へ流されます。最近ではニゴロブナの数は増えていると聞きますが、こういった取り組みが奏功しているのでしょう。酒のおともに美味しいふな寿司を楽しむためにも、もっと魚道を増やしてほしいと思いました・・・これはこれは、個人的な主観が入り失礼いたしましたm(_ _)m

滋賀栗東工場は、この取り組みが評価され、2015年12月環境省主催「グッドライフアワード」にて特別賞を受賞。2016年2月日本自然保護協会主催「日本自然保護大賞」にて大賞を受賞。同年3月滋賀県・滋賀経済同友会主催「しが生物多様性大賞」にて大賞を受賞されました。

またその他に、自ら「ゆりかご水田オーナー」として環境学習活動へ参加。田植え、稲刈り、生き物観察会などを実施。社内で開催した「ゆりかご水田米フェア」ではプロジェクト活動の展示やビデオの放映によって従業員にPRするなど、一部の人だけでなく全社的な取り組みへと広げられています。

藤本さん、今回のプレゼンは大変勉強になりました。ありがとうございます。最後に御社の環境に対する考え方が印象に残りましたのでご披露させていただきます。

「環境」は経営に付属するものではなく、事業に直結した経営の中心をなすものである


場所:琵琶湖ホテル5階「萩」
食事:ふな寿司、初カツオの叩き、鯛の釜飯
ふな寿司は琵琶湖ホテル自家製だとか。漬かり加減ちょうど良し、食べやすかったです。ご馳走さまでした。

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